日本・オマーン外交関係樹立50周年記念事業

Masayuki Hyodo Representative Director, President and Chief Executive Officer

兵頭 誠之
代表取締役 社長執行役員 CEO

オマーンと日本との外交関係樹立50周年、誠におめでとうございます。ハイサム国王陛下のリーダーシップの下、オマーン国及び国民の皆様が今後益々発展し、日本との協力関係が更に深まることを祈念します。この大きな節目に、このような場を提供していただきました駐日オマーン・スルタン国特命全権大使モハメッド・サイード・ハリファ・アル・ブサイディ閣下に心より感謝と敬意を表します。
当社は、1970年代から、その時々の社会課題の解決に取り組むことでオマーンの発展に寄与すべく、様々な事業活動に取り組んで参りました。現在は、これまでに培ってきた事業基盤と長年に亘る信頼を礎に、それらをさらに進化させ、あるいは新たな取り組みを加えて、脱炭素化と経済発展に欠かせないエネルギーの確保の両立という地球規模の課題にも積極果敢に挑んでいます。これからも、オマーンと日本両国の官民連携の一翼を担い、オマーン国に寄り添いながら、持続可能な社会の実現と豊かな暮らし作りに尽力して参ります。
ここでは代表的な分野について紹介いたします。

鋼管事業

原油・天然ガス生産で使用される油井管をPetroleum Development of Oman(PDO)に20年以上にわたり継続して納入しています。2003年より開始したPDO向けサプライチェーンマネジメントサービスは、2011年に拠点をアラブ首長国連邦のドバイからオマーン国内に移転し、その後、他の石油会社向けにも同サービスを拡大し、現地での雇用創出などにも貢献してきました。さらに2022年には、主にオマーンで事業を展開する二酸化炭素(CO2)の鉱物化サービスのスタートアップ、Protostar Group Limited(ブランド名「44.01」)と資本業務提携を実施。オマーンにおける脱炭素ビジネスの開発・展開も手掛けて参ります。

(左)オマーン石油開発会社との長期契約延長の調印式
(右)「44.01」によるCO2回収から鉱物化までの一連の流れ

エネルギートレード事業

1975年よりグループ会社を通じて原油の探鉱活動を開始、1980年より1999年にかけてButabul鉱区にて原油生産し日本向けに安定供給を行いました。また、1990年代より原油の長期買付け契約を開始し現在に至るまで継続しています。新たな取組としては世界的な脱炭素の動きを捉えオマーン国において、2022年12月にOQ社、アシャドグループ、A.P.モラー・マースク社と共に、再生エネルギー由来のグリーンメタノール・グリーンアンモニアの船舶用燃料としての供給事業に関する共同検討を開始しました。

海水淡水化事業

オマーンの首都マスカットにて、海水の淡水化事業を行い、オマーン政府の給水ネットワークを通して、日量19万トンの上水を、マスカット市内を中心に供給しています。当社は2012年に同事業に参画し、複数のパートナーと共に事業会社を設立しました。プラントは2016年2月に完工し、現在、順調に稼働しています。同事業は2018年1月にマスカット市場に上場しました。また当社は、プラントの運転・操業を行う別会社にも出資しており、現地での雇用を拡大し、オペレーションにも主体的に関与しています。

海水淡水化プラント外観

当社は、オマーン国の実情に即した社会課題解決と長期的な経済成長の両輪を回すことを常に意識し、これらの事業に限らず、引き続きオマーンの国と地域社会の発展に貢献して参ります。