日本・オマーン外交関係樹立50周年記念事業

現代の関係

1972年5月7日の外交関係樹立以来、400年近くに及ぶ友好的交流を背景として、オマーン・スルタン国と日本は数十年間、友好的な政治外交関係を共有してきました。両国政府間の協力及び交流の拡大が、長年にわたり多様な分野に反映されています。

1979年4月の駐日オマーン・スルタン国大使館(東京)、1980年10月の在オマーン日本国大使館(マスカット)の開設により、両国首都における外交団の交流が開始しました。2つの大使館は、両国政府の二国間関係の発展に極めて重要な役割を果たしました。当初、親交関係の発展を促すもうひとつの重要な契機となったのが、1973年9月の日本・オマーン協会(東京)及び1974年3月のオマーン・日本友好協会(マスカット)の設置でした。 王室・皇室や政府高官、産学官リーダー等の要人往来も、二国間関係を強化し、多くの分野の交流及び協力推進の下地を築く上で基本的な役割を果たしました。協力分野には、エネルギー、水、貿易、産業、投資、金融、人材育成、インフラ開発、文化、観光、科学、教育、安全保障、環境などが挙げられます。

とりわけ何名かの要人の往来により、両国の友好関係が一層強まりました。日本側からのオマーン来訪としては、1994年の当時の皇太子同妃両殿下、1990年の海部俊樹首相、1991年の金丸信副総裁が挙げられます。オマーン側からは、1989年に国王代理スウェイニ殿下、1990 年にファイサル殿下、1997年に副首相ファハド殿下、2002年及び2008年に当時遺産文化大臣であったハイサム・ビン・ターリク・アル・サイード国王陛下が来日されました。これらを含む閣僚交流が、相互の文化及び伝統への理解推進を促しました。東京、マスカット及び様々な国際会議の場で、閣僚ならびに高官レベルにおける両国外務省の交流や政治的協議も頻繁に実施されています。中東和平プロセスの枠組み内で両国が共同設立した中東淡水化研究センターや、国際連合内での相互支援は、この国際協力の好例です。この種の協議が、多様な地域的・国際的課題に関する相互理解と意見交換の促進に寄与してきました。

オマーンと日本は、海洋協力を通じて強い絆を育んでもいます。

オマーンは、インド洋に展開する海上自衛隊艦隊の重要な補給基地であり、毎年実施される遠洋練習航海では練習艦隊を受入れています。これが、両国の安全保障関係の強化につながっています。加えて、日本が輸入する原油の80%が経由するホルムズ海峡の戦略的重要性を考慮すると、この分野の一層の協力が最優先事項です。

グローバル化が進む世界では、国家間の多様な絆や結びつきが従来以上に重要になるでしょう。