バドル・ビン・ハマド・アル・ブサイディ・
オマーン国外務大臣メッセージ
2022年、オマーンと日本は国交樹立50周年を祝いました。しかし、両国のつながりは実際には400年以上前、日本人キリスト教徒がエルサレム巡礼の途上でマスカットを通過した1619年に遡ります。
その後1880年には日本の軍艦が初めてマスカットを訪れ、1924年にはマスカットを訪れた日本人地理学者が国王タイムールに謁見しました。この交流がきっかけとなり、国王は退位後の1935年に来日を果たしました。その後、国王タイムールは日本人女性の大山清子さんと結婚し、夫妻は娘のブサイナ王女と共に神戸で数年間暮らしました。 1972年の国交樹立以来、両国の関係は政治、経済、文化の分野で著しく深まっています。高官同士の訪問も数多く行われており、東京大学にはスルタン・カブース国王講座が設けられました。
日本とオマーン間の貿易は飛躍的に成長しました。現在、日本はオマーンの石油・ガスの主要な買い手であり、オマーンは自動車や電子機器など幅広い日本製品を輸入しています。
日本はマスカットにある中東淡水化研究センターの創設メンバーです。これは、中東和平プロセスの一環として1996年に設立されたもので、オマーンと日本の平和に対する共通のビジョンと対話へのコミットメントを反映しています。
1994年には当時の皇太子同妃両殿下がオマーンを訪問し、故カブース国王がお迎えしました。国王はお二人に、アハージージュという名前の血統書付きのアラブ馬を贈りました。 アハージージュは日本の皇室厩舎で人気になり、2001年の歌会始では皇太子殿下がアハージージュを題材にした歌を詠まれました。「草原をたてがみなびかせひた走る アラブの馬は海越えて来ぬ」というものです。アハージージュの子孫は、日本とオマーンの友好の生きた象徴として、皇室の厩舎で大切にされています。
2019年、国王タイムールの孫でブサイナ王女の甥に当たるサイード・アスアド殿下が、オマーン代表として徳仁天皇の即位礼正殿の儀に参列しました。
今後50年間で、オマーンと日本は両国の関係と協力を、特にエネルギー、再生可能エネルギー、グリーン水素の分野において、新たな高みへと引き上げていくでしょう。直接投資の拡大は両国にとって大きな利益を約束するものです。
このような喜ばしい機会に心からお祝いを申し上げるとともに、この場をお借りして、この友好協力関係に対する我々の継続的かつ揺るぎない支援を再確認したいと思います。この先何十年も、繁栄が続きますように。